忘れえぬ人々へ



AIR〜優しくてとても強い子だったの〜


…この空の向こうには翼を持った少女がいる。
それは、ずっと昔から
そして今このときも
同じ大気の中で、翼を広げて風を受け続けている……
…その景色は、何故か悲しみで彩られていた…
 
…女の子は夢を見るの
その夢が女の子を蝕んでいくの
優しくてとても強い子だったの……だから
…だれにも甘えることなく、誰にも迷惑をかけることなく…
幻のように消えていく
 
私頑張ったから…もうゴールしていいよね。
この夏に一生分の楽しさが詰まってた。
お母さんとたくさん思い出を作った。
もう一度頑張ろうと思って
往人さんと出会って始まったこの夏休み
私…頑張ってよかった
辛かったり、苦しかったりしたけど
ゴールは幸せと一緒だったから…
一人きりじゃ、なかったから
 
 
これは彼方の時を生きる少女の抱えた悲しみの物語……
 


というわけでこれが美咲がエロゲーに初めて手を染めた記念すべき作品です(^_^;)
あははは(^_^;)
KANON全年齢推奨版でKEY作品にはまった美咲さんは
KANONのせいでどうしてもAIRがやりたくなってやってしまったのでした。
でもホント良いお話でした。
纏まるかはわかりませんが感想を書いていきたいなと思っています。
 
実はDreamの時点では私は佳乃が一番好きでした。
健気で思いやりがあって、自分を消してしまうくらいお姉ちゃんを愛した少女
だけどAIRが終わるころには私は一番観鈴が好きになってました。
 
優しくてとても強い子だったの
 
物語の中で繰り返し使われたこの言葉
本当にその通りだったんだと思いました。
 
1000年の昔。
彼方の時を生きる少女には母から受け継がれた呪詛があった。
少女に思いをかけるものをこの世から消していく力
少女は…信仰をその身に受けた稀なる存在だったから
…信仰を後ろ盾とする朝廷にはあってはならないものだった。
だから少女の母は呪詛を受けたのです。
彼女達…翼人に心を寄せるものを消し去る為に
そのために少女は終わりないときを大切なものを失って過ごしていく
 
そして地上に降り立ったその少女の生まれ変わりは
誰にも無意識に近づけず、人と仲良くなりたくてもなれなくて
…仲良くなれば…大切な人は病んでいき
…だから少女はその人から離れていく。
時には離れていく大切な人を引き止められずに…
一人で死んで、生まれ変わって同じ時を繰り返してきた。
それが1000年前の少女神奈…そして今の神尾観鈴の魂でした。
 
私は観鈴の母晴子が最初とても嫌いだったんですよ。
どうしてこんな勝手なことばかりしてるんだって思った。
でも…AIRに入ってああそうかと思わされました。
本当に人の思いは理解しようとしてもやっぱり理解しがたい。
自分の目で見える世界がいかに自分の目からの世界なのか。
人を愛して、それが失われるのが怖くて
いつ去って行くかわからない義理の娘を愛し拒絶し続けた人
だれが彼女を責められるだろう。
誰だって愛するものと引き裂かれる事は一番の悲しみだもの。
動き出せなかった彼女が悲しみに立ち向かおうと決意した勇気が
観鈴を幸せに逝かせてくれた。
「私頑張ってよかった」「幸せと一緒だった」と言わせてくれた。
絶対いけなかったはずの海に女の子を連れて行ってくれた。
絶対一人で死ぬはずの少女を愛する母の腕の中で逝かせてくれた。
海で少女を抱く母の姿
神社でずっと渡せなかった贈り物を渡せた母の姿
少女を腕に抱いて泣いた母の姿
それは幾世紀も繰り返されてきた生まれ変わりには決して見えなかった夢。
そう思うと一杯涙が出てきてとまりませんでした。
 
時を遡って烏に転生してまで少女を幸せにしたかった青年
国崎往人が鳥の中で人だった記憶を思い出して
観鈴を想いも言葉も通じず
抱きしめる事も労わる事も出来ないその身を嘆き
嘴で人形を動かし続けるシーンには凄く好きでした。
そして彼女を笑わせる事が出来て…そうして全てを忘れて
それでも彼女の傍にい続けるからと誓って願った彼。
彼の残したものが観鈴に生きる時間を与え
晴子との再会の時を生み
彼も又最後まで彼女の笑顔を見つづけることが出来た。
繰り返されてきた悲しみを変える力になった。
それはとてもすごい事だと思いました。
ラストに空高く観鈴を探して飛び立つ姿に
彼が烏として転生した理由を感じました。
地上には晴子がいた。
彼と同じ位彼女を愛して彼女を幸せに逝かせてくれる存在が。
だから空の上に縛り付けられた少女の悲しみと呪詛を
幸せに変え、浄化する存在が必要だったのでしょう。
全てを根源から変える存在が。
彼がそれをなし得るのか
それは誰にもわからないけど…
 
そして呪いが消えなくても
彼らの頑張りは次に生まれ変わる観鈴の希望になってくれるのではと思います。
海にいけなかった少女は海にいけた
一人で死ななくてすんだ。
やりたい事全部やって、苦しいくらい愛された記憶を持てた。
それはずっと輪廻の輪の中で叶わなかった記憶。
翼人が夢…記憶をつなぐものなら
この記憶はきっと希望になると思います。
 
物語は完全なハッピーエンドではありませんでした。
だから割り切れない点も後味が悪い点もゼロではありません。
でも希望はあるから
…いつか少女がささやかな幸せを幸せとは思えない位
幸せになれる時が来ると信じたいです。
本当に良いお話でした。
 
…この分じゃ多分次もでたらやるだろうな…トホホ(^_^;)
 













 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 




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